江田神社〜神々が生まれたみそぎ池の伝説〜

宮崎県には多くの神話が存在します。
天岩戸伝説や天孫降臨は神話の中でもとても有名な話です。

その神話に登場する神々が生まれた場所が宮崎市にあります。

それが「みそぎ池」と呼ばれる場所です。

今回は、江田神社と「みそぎ池」について書いていこうと思います。

静かな森に佇む「江田神社」

まずは、江田神社からご紹介です。

場所は宮崎市街地から北側に少し入ったところです。
地名は「阿波岐原町」

周辺は森に囲まれており、静けさがあり心が落ち着く雰囲気があります。

鳥居をくぐると拝殿へとまっすぐに参道が延びています。

緑が豊かで瑞々しいですよね。
木々が元気なところは良い気が満ちていて、歩いているだけで浄化されていくような気がいします。

御祭神

江田神社の御祭神は二柱の夫婦神で、とても有名な神様です。

  • 伊邪那岐尊(イザナギノミコト)
  • 伊邪那美尊(イザナミノミコト)

日本神話において最初の夫婦神であり、島生みにより日本列島を作ったとされる神様となります。
また、多くの神様を生んだ神様でもあります。

拝殿・御本殿

創建時期は不明ですが、10世紀ごろの書物には江田神社の名前が出てくるそうです。

ということは、かなり長い歴史がある神社ということですね。

現在の拝殿は昭和10年ごろに新築されているそうです。

そして本殿は、明治20年に再建され、これまでに何度か改修されているそうですよ。

基礎部分はしっかりしたコンクリートになっており頑丈そうです。

ちなみに拝殿の横から奥には進めないようになっています。

仕切りがされており、それより先は聖域になります。

立て看板に「これより先御聖域につき進入を禁ず」と書いてあります。
続きには「当社に兎はございません」と書かれている。なんのこっちゃ?って感じです。

これはおそらく、一ツ葉稲荷神社という神社の本殿裏に津波を蹴り返している兎の彫刻が彫られているのですが、そこと勘違いをして裏に回る人がいたのでしょうね。
一ツ葉稲荷神社については、「一ツ葉稲荷神社〜津波を蹴り返したウサギ伝説が残る開運スポット〜」という記事を書いているのでご覧ください

境内のパワースポット

江田神社の境内には2つの御神木があります。

一つは「クスノキ」、もう一つは「オガタマノキ」という木です。

こちらがクスノキ。
参道の脇に力強く根付いています。

ボ〜としていると通り過ぎてしまうので注意です。

このクスノキに触れると大きな力を授かると言われているそうです。
特に根元のコブに触れると良いとか。

そのコブがこちら。

根元にポコっと出ています。

たくさんの人が触れているようで、テカテカになっています。

神社側が触れていいとしているようですが、私個人的には触れるのはダメかなと。
木に近づくと木の根を踏みつけることになるので、そこまではしたくありません。
なので、近くで深呼吸をするといいかもしれません。
力強いクスノキの息吹を体内に取り込んだ方が大きな力を得られるやもしれませんよ。

そして、これがオガタマノキ。
名前には馴染みがないです。

天岩戸伝説で天鈿女命(アメノウズメノミコト)がオガタマノキの実のついた枝を手にもって踊ったとされているのだそうです。

根元には大きな穴が空いていましたが、とても力強く青々とした葉をつけています。

この木もまた強い力を持っているので、近くで深呼吸をしてみると力をもらえるかもしれませんよ。

この二つの木が江田神社境内のパワースポットです。
もとより、この神社そのものがパワースポットになります。

長い年月を生きる木は、この場所で多くの人たちを見守ってきたと思います。
その悠久の時に思いを馳せて、木の前で目を瞑り深呼吸をすると穢れが落ちていくかもしれませんね。

伊邪那岐命が禊を行った「みそぎ池」

次はいよいよ「みそぎ池」です。

みそぎ池の場所は神社の裏手になります。

しかし、本殿裏は聖域のため立ち入り禁止です。

道順としては、まず先ほどのオガタマノキの裏手に案内がありますので、その案内に従って森の中を進んでいきます。

オガタマノキの裏手の方に案内があります。

この案内に従って森の中へと歩を進めます。

道は舗装されていません。
そのため、雨が降った後はぬかるんでいる場所もあるので注意が必要です。
なるべく木の根を踏みたくないですけど、難しい・・・。

ここから、みそぎ池までは約7〜8分ほどです。

結構歩きますね(笑)
ざっくり動画にしました。

睡蓮の花が咲く県内随一のパワースポット

到着したのは確かに池です。

池だと水の流れがないので、濁っていそうだなぁ〜とイメージしていました。

しかし到着した「みそぎ池」は・・・とても綺麗な場所でした。

水は濁っていません・・・それもそのはず、この池の水は湧き水なのだそうです。

池には睡蓮の花がたくさん咲いていました。

黄色い睡蓮の花言葉は「甘美」「優しさ」。

とても美しい光景です。

ところどころに亀もいました。

誰かが放したのでしょうか。

一箇所ポコポコとしているところがあります。

ここから水が湧いているのかな?

昔この辺りは入江で海だったそうです。
しかし、この池は淡水。
湧き出でる水も当然淡水です。

まあ、地質とかそういうのには詳しくないので申し訳ないですが、平地でここまで近くに海があるのに、コンコンと淡水が湧いてくるのが不思議だな〜って個人的に思ってます。

故にパワースポットなのかもしれません。

伊邪那岐尊の禊

伊邪那岐尊がなぜこの場所で禊をすることになったのか・・・。

色々と端折りますが、亡くなってしまった妻である伊邪那美尊に会いたくて黄泉の国まで行ったことが原因です。

黄泉の国で伊邪那美尊のもとへと辿り着いた伊邪那岐尊は伊邪那美から「姿を見せるまで、しばらく待ってください」と言われるのだけど、辛抱しきれずにその姿を見てしまいます。

しかし、美しかった伊邪那美は、おぞましい姿になっていました。
これに恐れ慄いた伊邪那岐は、その場から逃げるのです。
伊邪那美はこれに怒り、約束を違えた伊邪那岐を追い回します。

ギリギリのところで黄泉の国を脱した伊邪那岐は黄泉への入り口を大岩で塞ぐのです。
この時、伊邪那岐は伊邪那美から呪いを受けます。
「毎日1000人の命を奪い続けてやる!」というもの。
これを伊邪那岐は次のように返すのです。
「それでは、毎日1500人の赤子を世に送り出す!」と。。。

伊邪那岐は黄泉の国で、多くの穢れを受けてボロボロになりました。
その穢れを落とすために、禊を行ったのです。

この禊を行った際に、様々な神々が生まれます。
三貴子である天照大御神、月読尊、素戔嗚尊もこの時生まれました。

みそぎ御殿

みそぎ池に行く途中に案内板が出ており気になったので行ってみました。

みそぎ御殿。

ただ、撮影禁止だったため、写真はありません。

どういうところかというと、神社です。
御祭神は九柱の神様。

  • 天照大御神
  • 月読尊
  • 伊弉諾尊
  • 伊弉冉尊
  • 級長津彦命
  • 級長戸辺命
  • 豊受大御神
  • 倭姫命
  • 瀬織津姫命

以上、九柱となります。
級長津彦命と級長戸辺命が配祀されていますが、同一神と見るべきか・・・。
伊勢神宮より御神霊を拝受と由緒に書かれていました。

もし、お時間があればこちらにも足を運ばれるといいと思います。

最後に・・・

本当に、この地が禊の地なのかということについては分かりません。

いわゆる、諸説ありってやつです。

しかし、最有力の地であることは間違いないでしょう。

祓詞に出てくる「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に・・・」がまさにここを指すのではと。

筑紫は福岡の地名で、福岡市西区には小戸という地名もあります。
そして、禊伝説も残っています。

しかし、筑紫とは古くは九州を指す言葉だったこと、日向は宮崎であること、そして「みそぎ池」のある場所が阿波岐原という地名であること。
多くが、合致しているので、最有力なのでは??って感じです。

まあこういうのは、そうかも!っていうのロマンがいいんです。

兎にも角にもとても素敵な神社と池でした。
一度は行ってみてもいいかもしれません。

それでは、また。

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