献血にいこう!〜人を助けるボランティア〜

日本の献血人口はどれくらいいるのか?

2022年では、年間約500万人、1日あたりの平均が約14000人だったそうです。

少子高齢化の日本では輸血を必要としている高齢者が増える一方で献血に協力してくれる若い世代が減っています。

10代〜30代の献血者は2013年には約242万人ほどいました。
しかし、2022年には約168万人と74万人も減少しています。

とはいえ、献血はボランティアですから、自主性が大事。

なので、献血に興味を持ってもらいたくて色々とまとめてみました。

献血とは?

献血は、病気の治療や手術などで輸血や血漿分画製剤を必要としている患者さんのために、健康な人が自分の血液を無償で提供するボランティアです。

血液というのは人工的に作ることができないし、長期間の保存もできません。
だからこそ、多くの人に献血へ協力して貰う必要があります。

献血の種類は?

献血には大きく分けて二種類あります。

全血献血

血液中のすべての成分を採血する方法。
200mlと400mlがありますが、全血献血は基本的には400mlの献血となります。

献血が初めてとか、16歳、17歳の若年層、もしくは基準を満たした希望者が200mlの献血を受けることができますが、断られる場合もあります。
400mlの献血は男性17歳以上、女性18歳以上から受けることができます。

所要時間は個人差がありますが、おおよそ15分程度

成分献血

血液中の血小板や血漿だけを採血し残りは体内へ戻す方法。
男女ともに18歳から受けることができます。
成分献血では血小板か血漿のどちらかを選べますが、希望がない場合は血小板を求められます。
また、血漿を希望していても状況によっては血小板でお願いされることがあります

あとに記載しますが血小板は保存期間が極端に短いためだと思います。

所要時間は個人差がありますが、おおよそ40分から90分程度
成分献血に時間がかかるのは、採血した血液から必要な成分だけを抜き取り残りは体内へ戻すからです。

献血された血液はどうなる?

献血で集められた血液は簡単に言うと「くすり」になります。
ここでは、どんな薬になるか紹介します。

輸血用血液製剤
赤血球製剤

赤血球は全身に酸素を運ぶ役割を持っています。
赤血球製剤が使用されるのは出血や赤血球が不足する状態、または赤血球の機能低下による酸素欠乏のある場合です。
保存期間:採血後28日間

血小板製剤

血小板は出血を止める役割を持っています。
血小板製剤が使用されるのは血小板の減少やその機能低下による出血、出血傾向のある場合です。
保存期間:採血後4日間

血漿製剤

血漿は体内に酸素や栄養を運び、老廃物を肺や腎臓に運ぶ役割があります。
血漿製剤が使用されるのは複数の血液凝固因子の欠乏による出血、出血傾向のある場合です。
保存期間:採血後1年間

全血製剤

全血製剤は血液に保存液を加えたものです。
全血製剤が使用されるのは、事故などで大量の出血があり、すべての成分が不足する場合です。赤血球と血漿の同時補給が必要な場合に使用される。
保存期間:採血後21日間

血漿分画製剤
アルブミン製剤

アルブミンは約600個のアミノ酸からできたタンパク質で血漿タンパクの多くを占めます。血管内に水分を保持して、血液の浸透圧の維持や体内の物質と結合して運搬する働きを持ちます。
アルブミン製剤は、出血性ショックや重症レベルの熱傷などの治療に使用されます。

免疫グロブリン製剤

免疫グロブリンは異物が体内に入った時に排除する抗体の機能を持っています。
抗体機能があることから、免疫に関わる病気の治療に使用されています。

血液凝固因子製剤

第Ⅷ因子製剤、第Ⅸ因子製剤があるようで凍結乾燥させてあるため、専用の液に溶かして使用します。
血友病という血液が止まりにくくなる病気などに使用されます。

このように献血で集められた血液はいろいろな薬となり、治療に役立っています。

献血を受ける回数について

献血はいつでも何度でも受けられるわけではありません。
ここでは年間にどれくらいの献血ができるのかをまとめたいと思います。

献血の種類採血に要する時間年間で献血を受けられる回数献血から次の献血までの期間
200ml献血約10分〜15分程度男性6回以内、女性4回以内男女とも4週間以上
400ml献血約10分〜15分程度男性3回以内、女性2回以内男性12週間以上、女性16週間以上
成分献血約40分〜90分程度男女ともに24回以内男女とも2週間以上

ダブル献血

通常、400ml献血を受けた後に次の400ml献血を受けるためには、男性なら12週間、女性なら16週間の期間を空けないといけません。
しかし、成分献血なら400ml献血を受けてから男女とも8週間後から受けられます。
これをうまい具合に組み合わせると以下のような期間で献血を受けることができます。

あくまで一例です。
男性の場合は、400mlが年3回受けられるので、400mlと400mlの間に3回の成分献血を入れるともっと効率がいいですね。
実際、日本赤十字社のダブル献血のポスターには、そういうスケジュールで記載があります。

血液型の種類

これは言わずもがなとは思います(笑)

血液型には、A型、B型、AB型、O型と4種類あります。

1つの方でもRH血液型で、D、C、c、E、eなどの抗原があり、その中でD抗原の有無でRHプラス、RHマイナスとなります。

RHマイナスの血液型は非常に少ないので、RHマイナスの血液型を持たれている人はぜひ献血をしてもらいたいなぁ〜と思います。

ちなみに日本人で一番多い血液型はA型となり、全体の約40%を占めます。
ついで、O型が約30%、B型が約20%、AB型が約10%と続きます。
人口の増減で比率は変わると思いますが、大体こんな感じ。

AB型はやはり少ないですね。AB型のRHマイナスとなると、2000人に1人の割合だとか・・・。
希少な血液の人は、輸血を必要とする大きな怪我や事故には遭いたくないですね。

O型は万能??実はAB型も万能??

万能血という言葉を知っていますか?
他の血液型の人にも輸血ができる血液型のことを言います。

しかし、実際は万能というわけではありません。

輸血は患者が必要とする成分で種類が分かれます。
先ほどの「献血された血液はどうなる?」で紹介した通りで、血液製剤には種類があります。

  • 赤血球
  • 血小板
  • 血漿
  • 血漿分画製剤
  • 全血

この通り5種類に分かれます。
例えば、万能だと思われているO型に関しては他の血液型に輸血できるのは、赤血球のみ。
これはA型、B型の赤血球には抗A、抗Bという抗原があるのですが、O型はその抗原がゼロなんです。
知っている方もいると思いますが、そもそもO型は「オー型」ではなく「ゼロ型」だったのですが、読み間違いでオー型となった説がありますね。

そのため、O型の赤血球には抗原がないため、A型、B型、そしてAB型への赤血球輸血が可能です。

しかし、これが血漿になると話が代わり、O型の血漿には抗原があるため、他の血液型の人に輸血はできません。
ここで登場するのがAB型です。

AB型の血漿には、抗原がないので血漿輸血はA型、B型、O型の人にも可能になります。

ただし、これはあくまでストックない場合などで緊急を要する時です。

基本的には、万全を期すために同一血液型で輸血されるとのことでした。

やはり、全ての血液型で輸血のストックが必要なので、献血はA型、B型、O型、AB型の人に等しく協力してもらいたいですね。

献血が受けられない人

ここでは、献血をすることができない人について、どんな場合に受けられないかを記載します。

献血は殆どの人に協力してもらえるボランティアですが、以下に該当する人は受けることができません。

献血の当日に体調不良である、また服薬をしている

まあ、当日に体調不良はNGです。発熱の場合は37.5度以上あると献血を受けることはできません。
また、服薬に関してもビタミン剤やごく一般的な胃腸薬は問題ないのですが、それ以外はNGになります。外用薬、坐薬、点眼薬、点鼻薬も場合によってはNGになりますので、ちゃんと申告してくださいね。

出血を伴う歯科治療(歯石除去を伴う)を受けた場合

抜歯等で口腔内の常在菌が血中に移行し、菌血症になる可能性があるためだそうです。
治療日を含む3日間はNGだそうです。
菌血症は、血中に細菌が存在する状態のこと。
細菌が存在する血液を輸血されたら・・・嫌ですよね。

予防接種を受けた

接種後24時間は献血ができない予防接種は、インフルエンザ、日本脳炎、コレラ、A型肝炎、肺炎球菌、百日咳、破傷風の不活化ワクチンおよびトキソイドの接種を受けた人。
B型肝炎の場合は接種後2週間。
抗HBs人免疫グロブリンを単独、併用した人は投与後6ヶ月間。
狂犬病ワクチンの場合は、接種後1年間。
逆毒性ワクチン(おたふく、BCG、風疹等)の場合は、接種後4週間。
天然痘ワクチンの場合は、接種後2ヶ月間。
抗血清(破傷風、毒蛇、ボツリヌスなど)の場合は、投与後3ヶ月間。

これらは、事前の問診で聞かれますので、偽りなく申告してくださいね。

6ヶ月以内にピアス穴を開けた、もしくはピアスをつけた

耳たぶ、へそやへそ周辺の場合で医療機関または使い捨ての器具を使用して穴を開けた場合は細菌などの感染の危険性を考慮して、最低1ヶ月はNGです。
また、友人同士で安全ピンや針を共有して穴を開けた場合には、エイズ、B型肝炎、C型肝炎の感染の危険性を考慮し、最低でも6ヶ月はNGになります。
さらに、唇、口腔(舌など)、鼻の粘膜を貫通している部分にピアスを挿入している場合はNGです。それら粘膜部分のピアスを外した場合でも上記の期間と合わせて最低3日間はNGとなります。

6ヶ月以内にイレズミを入れた人

肝炎等のウイルス感染の可能性が否定できないため、NGなんだそうです。

外傷がある人

擦り傷や切り傷などで傷の状態によってはNGになります。

動物に噛まれた

ペット等の動物に噛まれた場合は傷を治療してから3ヶ月間はNG。
人に噛まれた場合は傷を治療してから6ヶ月間はNGだそうです。

特定の病気にかかったことのある

心臓病、悪性腫瘍、痙攣性疾患、血液疾患、ぜんそく、脳卒中、梅毒などに感染したことのある人はNGだそうです。
悪性腫瘍は治癒後5年間はNGで、造血器腫瘍の既往がある場合は経過良好でもNGだそうです。
梅毒は快癒していてもNGとなります。

海外旅行者および海外で生活をしていた

帰国日当日から4週間以内の場合はNGとなります。

血液を媒介して感染する原虫症に関しては、さらに厳しくなります。
マラリア流行地を旅行したことがある人は、原則帰国後1年間はNG。
マラリア流行地に1年を超える長期滞在をした場合は、原則帰国後3年間はNGになります。

シーガス病に関しては、対象国・地域を離れてから6ヶ月経過していない場合はNGです。

アフリカトリパノソーマ症に関しては、帰国後に感染歴を確認したアフリカに居住したことがある人で、既往がある場合はNGです。

バベシア症・リーシュマニア症に関しては、既往がある場合はNGになります。

これらも事前の問診で確認されますので、偽りなく申告してください。

輸血歴・臓器移植歴がある

輸血や臓器移植を受けたことのある人に関しては、現在の検査法では検出できない未知のウイルス感染の可能性があるため献血を受けることは出来ません。
※輸血や臓器移植を受けた人がウイルス感染しているということではなく、あくまで輸血の安全性を可能な限り高めるという理由からだそうです。

エイズ、肝炎などのウイルス保有者または疑いのある

HIV、B型肝炎、C型肝炎のウイルス感染の可能性が高い行為として6ヶ月以内に以下の行為に該当する人はNGです。

・不特定の異性または新たな異性との性的接触があった。

・男性どおしの性的接触があった。

・麻薬、覚醒剤を使用した。

・HIV検査の結果が陽性だった。

・上記に該当する人との性的接触があった。


クロイツフェルト・ヤコブ病の人または疑いのある

これは輸血での伝播が疑われているという報告があるため、以下に該当する人はNGです。

・クロイツフェルト・ヤコブ病または類縁疾患と診断された。

・血縁者にクロイツフェルト・ヤコブ病または類縁疾患と診断された人がいる。

・ヒト由来成長ホルモンの注射を受けた。

・角膜移植を受けた。

・硬膜移植を伴う脳神経外科手術を受けた。

妊娠中、授乳中等の方

妊娠中の人、出産・流産後6ヶ月を経過していない人。
出産1年以内で、母乳授乳中の女性。

新型コロナウイルスの検査を受けた、診断された等

以下は献血を受けることができません。

・新型コロナウイルスと診断された、コロナウイルス検査で陽性となったことがあり、症状軽快から2週間以内の人。

・新型コロナウイルス感染が疑われる症状出現日から2週間以内の人および症状軽快から3日以内の人。

・同居している人が新型コロナウイルス感染者に該当し、発送日から1週間以内の人。

ほとんどが事前の問診で問われる内容です。
少しでも疑いがある場合は、献血は控えた方がいいと思います。
献血は人の命を救うボランティアですが、自分の状態をきちんと把握していないと人に迷惑をかける恐れもあります。
偽りなく問われている内容には答えましょう。

献血のメリット・デメリット

献血のメリット

さて、献血のメリット・デメリットについてです。

メリットに関しては、献血をすることで輸血に必要な血液製剤が作られることが挙げられます。
プラスで、献血をすると血液検査の結果が送られてくるという点があります。
数値化された検査結果で、自分の血液の状態がわかります。

何の数値が見れるのか・・・以下に表でまとめました。

血圧・脈拍生化学検査血球計数検査
最高血圧ALT赤血球数
最低血圧γ-GTPヘモグロビン量
脈拍総蛋白ヘマトクリット値
アルブミン平均赤血球容積
アルブミン対グロブリン比平均赤血球ヘモグロビン量
コレステロール平均赤血球ヘモグロビン濃度
グリコアルブミン白血球数
血小板数
項目一つ一つの内容については説明を省きます。
献血のデメリット

デメリットに関しても記載しておきます。
献血は十分な健康状態を確認した上で行われるのですが、「血管迷走神経反応」が起こる場合があります。
なにそれ?って感じですよね。

血管迷走神経反応は、採血時の緊張やストレスなどで起こる血圧の低下や脈拍の減少といった症状です。血の気が引いたり、顔面蒼白や冷や汗、気分が悪くなるなどが起こります。
またごく稀にとは言われていますが、クエン酸反応、神経損傷といった健康被害もないわけではありません。

クエン酸反応は採血時に相当量のクエン酸ナトリウムを使用した場合に起こる口唇、手指の痺れ感や寒気などです。
神経損傷は、そのまんまで神経を損傷することです。
献血を行うには採血用の針を使用するので、それで神経を損傷する可能性があるのですね。

ただし、献血ルームで採血にあたっているのは国家資格を有している看護師です。
そして、問診をするために医師もいます。
何か少しでも体に異変を感じたら、なにも遠慮することなく申告してください。

ちなみに、頻度はかなり低いのでそこまで構える必要はありません。

あと、当たり前なんですけど、献血後は激しい運動、飲酒などは控えましょう。

献血は偽善?

献血する人は偽善者だ・・・昔誰かに言われたことがあります。
偽善とは「本心からではない、うわべだけの善行(大辞林より)」のことです。

これに関しては、別にどうでもよくて偽善だろうと何だろうと献血は人の役に立つ行為です。
つべこべ言わずに献血しましょう。

損得勘定でボランティアをしても構わないでしょう。
情けは人のためではなく、自分のためにするのだから。

終わりに

ここまで、献血についてまとめてみました。
色々なサイトを覗いて、情報を集めてみましたが、役立つ内容になっていれば幸いです。

献血に関しては、健康な人で条件に当てはまらなければ殆どの人にやってもらえるボランティアです。
自主的に行うものなので、強制はできません。

でも、人知れず誰かの助けになることができます。
実感はありませんが、それでも役に立っていることをは間違いないです。

誰かのためは自分のためでもあるだと思いますので、時間があるなぁ〜という人は一度献血を受けてみてはいかがでしょうか。

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