久々に神社の記事になります。
今回は、福岡県福岡市東区香椎に足を運びました。
福岡市東区は福岡市にある7つの行政区の中でも一番人口の多い場所となります。
ちなみに残り6つの行政区は、博多区、中央区、城南区、南区、西区、早良区です。
JR、西鉄、地下鉄と複数の交通機関も通っておりアクセスがよく香椎駅や千早駅周辺は再開発も進み、とても住みやすいく人気のエリアです。
そんな福岡市東区に鎮座されているのが、夫婦の宮とも呼ばれる香椎宮です。
もくじ
香椎宮とは
香椎宮とはどんな神社なのでしょうか。
御由緒から見てみましょう。
香椎宮の御由緒
香椎宮は仲哀天皇九年(200)、神功皇后躬ら祠を建て、仲哀天皇の神霊を祀給うたのが起源であります。
神功皇后の宮は元正天皇の養老七年(723)に皇后御自身の御神託により、朝廷が九州に詔して社殿の造営を創め聖武天皇の神亀元年(724)に竣工したもので、此の両宮を併せて香椎廟と称しました。
明治以来には官幣大社香椎宮、戦後は香椎宮と称しております。
起源である仲哀天皇9年はかっこ書きで200年とありますが、西暦だと367年ごろになるみたいです。
ということは、その歴史は1657年(2024年現在)にもなるので、相当歴史は古い。
また、「両宮を併せて香椎廟と称したました。」とあるように始まりは、お墓だったようですね。
廟なので、いわゆるお墓とは違いますが。
神社となったのは、明治以来ということなので近代に入ってからとなります。
また、香椎宮は全国に17社(現16社)あるとされる勅祭社の一つとなっており、祭祀が行われるときには天皇に勅使が遣わされるそうです。
神功皇后の宮が竣工してから、今年2024年で創建1300年の記念の年となっています。
また、来年2025年には、勅祭が行われるそうなので、この機会に参拝にあがられるといいかもしれません。
香椎宮の御祭神
すでに御由緒のところで書かせていただいておりますが、香椎宮の御祭神は次の二柱の神様となります。
(名前をクリックすると説明書きが展開します)
仲哀天皇
第14代天皇。日本武尊の子であり、神功皇后の夫である。
神懸かりした皇后から神の託宣を受けるのだが、その神は偽物だろうと疑い託宣を無視。
再度、神懸かりした皇后から2度目の託宣を受けるがこれも無視し熊襲討伐に行くのだが、敗走することになり、その後命を落としている。
神により天罰が降ったとも言われているみたいです。
神功皇后
仲哀天皇の皇后であり、天皇亡き後は摂政として70年もの長きに渡り君臨する。
数々の伝説があり、仲哀天皇が敗走した熊襲も、その後征伐し、三韓征伐にも乗り出している。
なかなかに勇ましい皇后という印象を受けます。
実際には存在していないのではないかとも言われています。
御神徳
香椎宮における仲哀天皇、神功皇后の二柱の神様の御神徳はどんなものがあるのでしょうか。
外交・子授け・安産育児・芸能上達・土木治水
神功皇后は、その身に応神天皇を宿しながら三韓征伐を行い、帰国後に無事に出産されていることから、安産の神様として有名ですね。
配祀されている神様と御神徳
香椎宮は仲哀天皇・神功皇后の二柱の神様に加えて、もう二柱の神様が配祀されています。
どんな神様なのかと、香椎宮における御神徳を併せての紹介です。
(名前をクリックすると説明書きが展開します)
応神天皇
仲哀天皇と神功皇后の子。渡来人を用いて国家を発展させたと言われている。
全国に4万社以上あるとされる八幡神社の御祭神で、八幡神としての信仰も篤い。
御神徳としては、国家繁栄・厄除開運・武運長久・成功勝利とされている。
住吉大神
住吉神社の御祭神であり、住吉三神とも呼ばれている。
底筒男神・中筒男神・表筒男神の三柱の神様の総称。
御神徳は、清祓・除災招福・海上安全・交通安全とされています。
御神木
香椎宮の御神木は神功皇后が植えたとされる杉の木で、「綾杉」と名がついています。
「永久に本朝(みくに)を鎮め護るべし」と祈り込められて植えられたそうです。
垣に囲われている御神木ですが、一箇所だけ枝が地面へと下がり再び天へ向けて伸びてるところがあります。
とても力強い印象で、長い間、福岡の地を見守ってきたとても素敵な御神木です。
御神木のそばで深呼吸をすると、良い気をもらえるかもしれません。
御神門
香椎宮には、たくさんの見所があります。
この御神門もその一つです。
参道をまっすぐ歩いて進むと、その御神門が姿を現します。
御神門の左右に伸びる筋塀を見ると、5本の筋が入っています。
これは、そのまま五本筋といい寺社の最高位を示しているそうです。
摂社・末社
次に香椎宮の摂社と末社をご紹介します。
摂社は2社、末社は9社あり、合計で11社です。
今回は、摂社の2社と末社の3社に参拝にあがらせていただきました。
摂社:武内神社
本殿を正面に見て、左手の方に鎮座されているのが「武内神社」となります。
御祭神は「大臣 武内宿禰命」です。
仲哀天皇・神功皇后に支えた五大臣の筆頭。
景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5代の各天皇に支えたとされる人物。
短い間に天皇が代替わりしたわけではありません。
相当な長きにわたり天皇家に支えているのです。
その寿命は諸説ありますが、300歳前後で最も長いもので360歳とも言われています。
御神徳は、言うまでもなく「健康長寿」です。
加えて、病気平癒・知恵向上・学業成就とされています。
摂社:巻尾神社
本殿を正面に右手に鎮座されているのが「巻尾神社」になります。
御祭神は「中臣 烏賊津大連命」です。
武内宿禰と同様に五大臣の一人となります。
雷命として武芸に優れていたという。
三韓親征の際は、香椎の守護を命じられていたと由緒には書かれていました。
御神徳は、勝負運向上・武芸上達とされています。
末社:鶏石神社
続いて末社となる「鶏石神社」です。
先ほどの御神木「綾杉」の側に鎮座されている神様となります。
御祭神は「不明」。
久方ぶりに御祭神が不明な神社に上りました。
由緒曰く、その死を憐れんだ僧侶によって石となった鶏が祠におまつりされたことが起源と言われているらしい。
また、鶏を祀っている神社は全国的にも珍しく、鶏に関連する企業の方も多く参詣されると書かれていました。
そして、鶏は夜鳴かないことから、子供の夜泣きにもご利益があるとされているそうです。
御神徳は、修理固成・五徳向上・養鶏・育児夜泣き
末社:稲荷神社
続いては、先ほどの鶏石神社の隣に鎮座している「稲荷神社」です。
御祭神は「保食大神」となります。
全国に4万社以上あるのではと言われている神社の一つ。
この4万社には屋敷神として個人や企業で祀られているものを合わせた大凡の数。
おそらくもっと多いのではと思っています。
御神徳は、五穀豊穣・商売繁盛 です。
末社:辨財天社
今回、参拝に上がった最後の神社は末社の「辨財天社」です。
香椎宮のしょうぶ池の中島に鎮座されています。
御祭神は「市杵嶋姫命」になります。
宗像三女神が一柱で、宗像大社や広島の厳島神社、神奈川の江島神社などが有名じゃないでしょうか。
御神徳は、財運・開運招福・芸能上達 となります。
他6社の末社
今回は参拝に上がりませんでしたが、末社は残り6社鎮座されています。
御島神社・濱男神社・朽瀬神社・平野神社・印輪神社・高倍神社・早辻神社
香椎宮の周辺に鎮座されており、離れた場所もあります。
時間に余裕があれば、全てに足を運んで参拝にあがられるといいと思います。
古宮・御神木「香椎」
神社としての建物はありませんが、香椎宮の古宮にもぜひ足を運んでいただければと思います。
こちらも、社格としては香椎宮摂社とされています。
地名となった御神木「香椎」も、この場所に力強く根付いています。
この古宮より、さらに奥に進むと「仲哀天皇大本営御旧蹐」という石碑が建てられています。
不老水という井戸水
最後に紹介するのは、摂社・末社ではありません。
不老水です。
この不老水は、武内宿禰が掘ったとされる井戸に湧き出ている水となります。
日本三大名水である菊水泉、ごろごろ水に並ぶ名水です。
泉質までは分かりませんが、飲むと長生きできるかもしれません。
私は、ペットボトルなどの容器を持っていなかったので、汲んではいません。
でも、何人かの方が水を汲みに訪れていました。
飲み水として使えるのかは不明ですが、汲んでいる方がいたので飲めるのでしょう。
神社の管理だと思うので、定期的に水質も調査しているのではないでしょうか。
そのあたりは、分かりませんが。
まあ、より安全を期すならば煮沸してから利用するといいかもしれませんね。
最後に
福岡県福岡市東区香椎に鎮座する香椎宮。
広い敷地で参拝客も多く、賑わいのある神社です。
見どころも多く、拝殿・本殿は香椎造りという日本で唯一の建築様式をとっています。
JR香椎駅からの徒歩で向かうと、道中にはお洒落なカフェなどもあり散策するのもいい場所と思います。
神社の数が日本で三番目に多い福岡県にあって、全国でも数少ない勅祭社である香椎宮。
ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
香椎宮:福岡県福岡市東区香椎4丁目16ー1
ホームページ:https://kashiigu.com/
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